ブラジリアン柔術の国際大会「ワールドマスター 2024」の個人的見どころまとめ

今年のワールドマスター(2024年8月29~31日に開催)も、国内で注目が集まる試合は今年も俳優の岡田准一さん(マスター3 / 茶帯 / ライトフェザー級)、玉木宏さん(マスター3 / 青帯 / フェザー級)、そして、お笑いコンビ「ガリットチュウ」福島善成さん(マスター4 / 紫帯 / ライト級)になるでしょう。
※8月中旬時点では、まだエントリーされていないようです

しかし、私が注目しているのは俄然、柳沢 友也選手(マスター2 / 黒帯 / フェザー級)なのですが、その理由や見どころについて詳しく解説したいと思います。

柳沢 友也さんについて

柳沢 友也さんは、2006年に当時の国内最年少(22歳)で黒帯を巻き、師匠である故・吉岡大さんを含むチームメイトと共に柔術世界選手権の表彰台を目指して試合に挑み、同階級で桁外れの強さを誇っていた世界王者 ギィ・メンデスからも「あいつはヤバい!」と警戒されていた選手でした。

そんな柳沢さんが、約10年ぶりに国際大会へ参戦します。
体調も万全とのことなので絶対に面白い試合になるはずです!

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2020年の春、柳沢さんが柔術界へ復帰した際のインタビュー記事です。

このトーナメントの見どころの1つは、総合格闘技界から現ONEの世界フライ級王者 デメトリアス・ジョンソン同級1位 アドリアーノ・モラレスが柔術ルールで対決する可能性があり、元UFCフライ級上位ランカーのジュシー・フォルミーガ選手もエントリーしているところです。

海外のMMA選手がノーギの試合にチャレンジすることはあっても「道着あり」の試合にエントリーすることは珍しく、しかもトップレベルの選手が3名も揃っているのはとてもレアです。

また、ピュア柔術家からは2010年の世界柔術選手権で優勝しているパブロ・シウバ選手。それから、柳沢選手が試合から遠ざかっていた期間も国際大会にチャレンジしていた加古 拓渡選手。さらに、世界柔術選手権3位(2016、2018)のオズワルド・ケイシーニョ選手がエントリー。その他にも、ADCCやAJP、パンアメリカンやヨーロピアンなどでの入賞実績がある選手が多数エントリーしています。

40名以上がエントリーしているので優勝するためには5〜6試合する必要があり、波乱や大激戦が予想されます。

上位進出が予想される選手

所属チーム氏名備考
AMC Brazilian Jiu-Jitsuデメトリアス・ジョンソン元UFCフライ級王者 / 現ONE世界フライ級王者
アメリカン トップチームアドリアーノ・モラレス元ONE世界フライ王者 / 現ONE世界フライ級1位
アメリカン トップチームジュシー・フォルミーガ元UFCフライ級上位ランカー
Arss BJJオズワルド・ケイシーニョ世界柔術選手権 3位(2016、2018)
ブラジリアン トップチームジョナサン・ロウADCC カナダオープン 優勝(2024)
チェックマット USAFrancisco Jackson Da Silva Matosノーギ パンアメリカン柔術選手権 優勝(2023)
G13 BJJ USAWilson Reis Monte Alto Gonçalvesパンアメリカン柔術選手権 3位(2006)
グラップリングシュートボクサーズ加古 拓渡世界柔術選手権 3位(2016)
Pablo Silva BJJパブロ・シウバ世界柔術選手権 優勝(2010)
Surfight Jiu-Jitsuダニエル・ナカムラAJP グランドスラムツアー 優勝(2023-2024)
柳澤柔術柳沢 友也ヨーロピアンオープン選手権 3位(2010)
エントリー数:計40名

注目選手

元UFC世界フライ級王者で、現ONE世界同級王者であり、UFC時代はタイトルマッチで堀口恭司選手に腕十字を極めて勝利しています。昨年のワールドマスターでは、マスター2 茶帯 フェザー級で6試合を勝ち抜いて優勝(無差別級も優勝)しており、黒帯レベルでどこまでやれるのか注目です。

このトーナメントでは随一の知名度があり、彼の全試合に世界中のMMAファンや柔術関係者が注目すると思われます。

アメリカントップチームから、元ONE世界フライ王者 / 現ONE世界フライ級1位のアドリアーノ・モラレス選手がエントリー。同門のジュシー・フォルミーガと共に上位進出を狙います。

2014年に柔術北米選手権(ノーギ)で優勝しているものの、過去に「道着あり」での試合実績は見当たらなかったのでダークホース的な存在といったところでしょうか。

オープンガードを得意とする選手で、2010年に世界柔術選手権(ムンジアル)で優勝しています。近年だと2016・2017年のワールドマスター(マスター1)でも優勝しており、実績から考えると優勝候補の大本命でしょう。自身が主宰する「Pablo Silva BJJ」の所属選手も一緒にエントリーしていますね。

ちなみにムンジアルでの優勝は、同門の先輩 サムエル・ブラガとのシェア優勝だったのですが、柳沢さんはそのサムエル・ブラガ相手に試合中盤までポイントをリードしていながら場外反則で惜敗しています。

2016年の世界柔術選手権(ムンジアル)で3位入賞の実績があり、2014年のアジアオープン柔術選手権では故・吉岡 大さん(柳沢さんの師匠)にも勝利しています。

そんな加古選手も昨年のワールドマスターは2回戦で敗退しており、さらなる上位進出を狙っているでしょう。

まとめ

ブラケット

柳沢選手と加古選手はブラケット4に入ったので、順当に勝ち進めば4回戦で対戦することになりそうです!

パブロ・シウバ選手はブラケット1。アドリアーノ・モラレス選手はブラケット3、オズワルド・ケイシーニョ選手もブラケット3、デメトリアス・ジョンソン選手はブラケット4に入りました。有名選手と日本人選手の対戦も楽しみですね。

プロフィール

TUNETOMO 取材・文/イラスト

柔術紫帯。柔道黒帯。上級ウェブ解析士。デジタルマーケティングによるWeb戦略提案とUI/UXディレクションが専門分野。柔術とイラストレーションと洋服が好きすぎて、オリジナルのアパレルSHOPまで作ってしまった。

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