ブラジリアン柔術で強くなるために大切なこと
柔術を始めてみたけれど、なかなかスパーリングや試合で成果を出せず伸び悩んでいる方って多いと思います。かなりの数の白帯が、青帯になるまでに柔術を辞めてしまうとも聞きます。
私もまだ経験が浅いのであまり偉そうなことは言えないのですが、私なりにブラジリアン柔術で強くなるために実践している大切なことをまとめてみました。
自分の武器を知る
まず、自分にはどんな強みがあるのかを整理します。
- 自分と同じ階級の人と比べて、手足は長いのか?
- 自分と同じ階級の人と比べて、力は強いのか?
- 自分と同じ階級の人と比べて、俊敏なのか?
- 自分と同じ階級の人と比べて、体は柔らかいのか?
- 自分と同じ階級の人と比べて、持久力はあるのか?
「強くなる」という目的の場合、〇〇〇ができるとカッコイイなどの「憧れ」から自分の身体的特徴にあわない技を磨き続けるよりも、最初から「自分のポテンシャルを最大限に発揮できる技」を選択して集中的に練習したほうが効率的だと考えています。
他の競技でもよくあることなのですが、人は自分にないものを高く評価しがちです。そのため、自分には難しい体の使い方に憧れて、そこを目標としてしまう人はとても多いと思います。しかし、実はもっと自分の特徴にあった技が存在していたりするので、そこに着目できるかどうかが重要です。
自分の特徴を知るのに最適なのは、私は4スタンス理論だと思います。4スタンス理論とは、ヒトの重心の使い方のタイプを大きく4つに分類して、タイプごとに理想的な体の使い方や強みを知ることができる身体動作体系の理論です。私も4スタンス理論のトレーナー資格を持つ方に半年ほど指導していただいたことがあって、自分が「どこに重心を置けば最も力を発揮できるのか」「どういう動きが強みなのか」などを理解しています。
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また、一緒に練習している道場の仲間からの声によると、同じ階級の人と比べて「体幹の力」が屈強で、小さな頃から柔道をやっていたこともあって、柔道的な「摑む・抱える・抑える」パワーとボディーバランスにも優れているようなので、それらが最も活きるスタイルを模索することにしました。
ロールモデルを見つける
「自分の武器」を自覚してから、今度は自分と同じ武器で活躍している強豪選手を探しました。そのため、私は道場で体型が似ている先輩の動きを観察したり、YouTubeで国内外の柔術の試合をたくさん見たりして「この動きは自分も得意そう」と思う人を見つけては練習で試してロールモデルを探しました。
例:柔道がバックボーンにある選手
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自分にぴったりのロールモデルが見つかると、数年後の「完成形に近い自分」をイメージし易くなるので、いま取り組むべき課題も明確になってきます。
また、ロールモデルとなる選手が強みを最大限に発揮している理由を見極め、その選手が得意としている技を徹底的に練習すれば、すでに成功が実証されているスキルセットを集中特訓できるので驚くほど短期間で強くなれると思います。
僕はまず柔道出身の選手で検討しましたが、同じ柔道出身でも活かしている技術があまりにも高度で習得に時間がかかりそうだったり、身体能力や手足の長さの違いなどもあって、最終的には4スタンス理論の知識を活用しながら身体的特徴や体の使い方が似ている選手を選択しました。
もしも幸運なことにロールモデルとなる選手が道場の先生だったり先輩だったりすると、自分に必要なことをピンポイントで直接学べる「最速で成長できる環境」になると思うので、どこの道場で練習するかも重要な検討事項だと思います。
得意技を磨く
面白いもので、身体的な特徴が似ている選手の得意技は、コツを習得するまでにあまり時間がかからず、あっという間に自分の得意技となりました。
自分の得意技が見つかれば、あとはそれを磨くだけです。徹底的にスパーリングで強い相手に得意技で挑み、自分の技の問題点を探ります。問題点が見つかれば、それをどう改善するかを研究してまたスパーリングで検証します。この工程を高い精度でやっておくと、試合で何が起きても「すべて想定済み」という状態にまで自分を高めることができます。
得意技に至るまでのプロセスを磨く
柔術の試合は必ず立ち技から始まります。そのため、いかに立っている姿勢から自分の得意技に繋げるパターンを持っているかが重要だと思います。常に自分が得意なポジションで戦うことができれば、必然的に勝てる確率も上がると思います。
また、どんなポジションからでも自分の得意技まで繋げるパターンを複数持っていれば、自分の得意技が完全に防がれない限り負ける可能性はほとんどなくなります。そのためには、得意技は「来ると分かっていても防ぐことができない」というレベルが目標となります。
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集中するためのルーティーンを作る
試合で勝てる選手は必ずと言っていいほど、試合前に決まったルーティンを行なっています。方法は人それぞれですが、強豪選手がやっているルーティーンを自分も試合などで試してみて、自分にあったパターンを確立すると良いと思います。
ちなみに自分の場合は「試合の1時間前まで集中のスイッチは入れない」「他の試合は見ない」「待ち時間はiPhoneで試合用に用意した曲を聴く」「試合前に自分の顔を3回平手打ち」というのがあります。いかに自分を極限まで集中できる状態に追い込むか、その方法を熟知していると強くなると思います。
苦手をなくす
明らかに苦手な部分を持っていると試合で圧倒的に不利なので、全てのポジションで80点くらい取れるよう練習し、学べる技はひと通り経験して知らない技がない状態を目指します。
もし自分に突出した威力がある得意技があれば、当分の間は必要ないかもしれませんが、帯が上がって相手が強くなると必ず必要になると思うので、バランス良くスキルを身につけておくことが重要だと思います。
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ロールモデルを超える
自分にとってはまだまだ先の話ですが、ロールモデルとなる人と同等の技術が身についたら、あとは自分なりにそれを「どうアップデートするか」です。ロールモデルに設定した選手にも必ず得手・不得手があり、その影響で実現できなかったこともあるはずです。その部分を自分なりにどう改善するか考えて、その選手では成し得なかった次元へと向かいます。
自分の場合、ロールモデルとなる選手がレスリングをベースにした選手なので、最終的にはそこに自分が得意とする柔道の立技・寝技をうまくミックスして、自分から主体的に相手を崩して圧倒することができる超攻撃的スタイルをゴールに設定しています。
まとめ
どうやって強くなるかは人それぞれですが、僕はまず自分の長所を活かすことを優先しています。セオリーだと、まずは技の防御から身につけるものらしいのですが、その期間に極められてばかりで伸び悩んで辞めてしまうくらいなら、まず長所を伸ばすところから始めるというやり方を選んでみても良いのではないかと思います。
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