教則動画レビュー:柿澤剛之 ブラジルのレジェンドに学んだスマッシュパス

久しぶりにBJJチャンネルさんからレビュー記事のオファーをいただいたので、今回は柿澤剛之さんの「ブラジルのレジェンドに学んだスマッシュパス」という教則動画についてレビューしてみました。
教則動画の見どころ解説

柿澤さんは鉄壁ディフェンス「難攻不落のダイヤモンドガード」で有名ですが、「じつはパスも強い」という声をよく耳にします。練習仲間の毛利部さんも、インタビュー時に柿澤さんについて以下のように証言していました。
試合の時とか柿澤さんもっと強いはずなのに「なんでもっとやんないんだろ?」って思ってます。試合になると攻撃力が弱まっちゃう気がします。実際はもっと強いです。
インタビュー後編:毛利部慎佑さん(柔術家)〜モリベチャレンジ から引用
柿澤さんは過去にブラジルのバルボーザ道場で海外修行をした経験があり、そこでムリーロ・サンタナやチアゴ・アウベスといったトップ選手の強力なぶっ潰す系(スマッシュ)ガードパスを体感しました。2020年にインタビューさせていただいた際も、「帰国後に研究して、ようやく理解できた技術が多々あった」とおっしゃっていました。
インタビュー記事
今回の教則は、これまでに研究してきた技術を分かり易くまとめた内容になってます!
収録内容について
収録内容はめっちゃシンプル。時間にして約40分ですが、大事なことがギュっと詰まっている印象。価格も手頃なので、すごくお得感があるなと思いました。
チャプター
- スマッシュパスに必要な基礎ムーブ
- バタフライガードに対するスマッシュパス 手で押すバージョン
- バタフライガードに対するスマッシュパス背中をクラッチされた時
- 脇差しスマッシュパスのバリエーション
- ニーシールドハーフに対するスマッシュパス
- バルボーザエビに対するレッグドラッグ
- 足を絡まれた時の対処
- ズボンを掴まれた時の対処
- ワイパーが掛けられない時の対処
収録時間:約40分
「スマッシュパスの上達」は自分の長年の課題の1つで、それを得意とする山中健也選手やカウアン・タニノ選手の教則でずっと研究していたのですが、この教則を学んだことで「こんなにシンプルでいいんだ!」という考え方の部分での気づきと、スマッシュパスの押さえておくべき勘所が見えてきた気がします。
それから、スマッシュパスの教則はヘッドクォーターポジションからのエントリーで解説されることが多いのですが、柿澤さんの教則はバタフライガードからのエントリーがベースとなっており、トライポッドパスの理解も深まるのが嬉しいところです。

また、私は白帯の頃からずっと試合映像や教則動画でムリーロ・サンタナ選手のガードパスも研究してきたのですが、ムリーロの教則では説明不足の腰切りやワイパーのディテールがかなり分かりやすく解説されているように思います。
まさに、ムリーロと実際に練習した経験のある柿澤さんだからこそ語れる技術です。
柿澤さん・柳沢さんに聞いてみた

今回の教則内容などについて、柿澤さん・柳沢さんに質問してみました!
「腰切り」「ワイパー」について

今回の教則はスマッシュパスでの「腰切り」や「ワイパー」など、相手の腰から下の部分のコントロールに注力している気がするのですが、そこがスマッシュパスの大事なポイントだったりするのでしょうか??

そうですね、スマッシュパスに限らず相手の腰をコントロールすることは勘所ですね。抑え込みまでもっていくためには、そこから登っていって胴体・脇・首など抑えていきます。
収録内容について

収録内容がとてもシンプルに感じたのですが、じつは今回は基礎編で、もっと豊富に細かいテクニックがあったりするのでしょうか??

もちろんシチュエーションが異なる場合は細かいところは変える必要がありますが、大筋ではほぼほぼ共通する内容になります。
口頭での説明は省きましたが細かいエッセンスは盛り込んだ内容になっていると思います
ぶっ潰す系パスについて

5年前にインタビューさせていただいた際に、ムリーロのぶっ潰す系パスを柿澤さんから少し習ったことがあるのですが、それ以降で気付いたことだったり、技術的に磨いてきた部分などありましたら教えてください。

技術的に大きく変えたところはありません。プレッシャーのかけ方、バランスの取り方など、技術的な精度は上がったと思います。頭での理解も進んだので人に説明しやすくなりましたね。説明の精度はこの程度ですが・・・(笑)

いえいえ、教則めっちゃ勉強になりましたよ!!!
柳沢さんからみた、柿澤さんのスマッシュパス評
柿澤さんとマンツーマンで定期的に練習していた経験のある、柳沢友也さんにも柿澤さんのガードパスについて聞いてみました!

柿澤さんと頻繁に練習していた柳沢さんからみて、柿澤さんのスマッシュパスってどんな印象ですか??

柿澤さんにフックガードすると、必ず潰されていたのを思い出しました。そこまでスピードに頼らないパスガードなので、じっくり攻める派の方にスマッシュパスガードは丁度いいと思います。

自分にぴったりだ・・・(喜)
柿澤さん・柳沢さんプロフィール

柿澤剛之 難攻不落のダイヤモンドガード
1977年生まれ。柔術黒帯。Relaxin'BJJ代表。大学生の頃から名門PURBRED大宮で柔術の練習を開始。世界トップ選手からもパスを許さない鉄壁のガードワークで「難攻不落のダイヤモンドガード」の異名を持つ。

柳沢友也 IBJJF WORLD MASTER 2024 黒帯フェザー級3位
1984年生まれ。柔術黒帯。柳澤柔術 代表。14才から名門PURBRED大宮で柔術を習い22才で黒帯になる。柔術歴20年以上。国際大会を中心に入賞を重ね本場ブラジルで修行し更に技術を高める。師匠は故・吉岡大。
教則の動画フォーマットについて
BJJチャンネルさんの教則は、ユーザーの閲覧環境にあわせてフォーマットを選択できるところが特徴的。
ダウンロード形式のVimeo版・Dropbox版(オンデマンド視聴も可能)と、物理フォーマット形式のDVD・Blu-ray版があります。
まとめ
柔術界の裏帝王ことムリーロ・サンタナ選手から学んだ「ぶっ潰す系」のパスガードの技術は海外修行での大きな収穫でした。一生勝てないと思ってしまうくらい強いです。筋トレはろくにやっておらず、スパーと打ち込み中心の練習をしてました。
インタビュー前編:柿澤剛之さん(柔術家)〜ダイヤモンドガードの誕生 から引用
この教則は柿澤さんの海外修行での成果の1つが分かり易くまとめられていて、すごく価値のある内容になっています。
おかげさまで、ずっとムリーロ・サンタナ選手のガードパス技術で謎だった部分が少し理解できた気がしました。スマッシュパス(ぶっ潰す系パス)の基礎を身につけたい人にはオススメです!
この教則もオススメ
柿澤さんの教則でスマッシュパスの原理・原則を学ぶと、カウアン・タニノ選手のフェイバリットパスである「サイドスマッシュ」の仕組みもより理解が進みました。並行して学ぶのがオススメ!
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