教則動画レビュー:カウアン・タニノ 世界を制したフェイバリットパスガード

今回はBJJチャンネルさんからのご依頼で、名門ATOS所属の若手柔術家「カウアン・タニノ選手」のパスガードに関する教則動画についてレビューしてみました。
この教則動画の見どころ

この教則は、カウアン・タニノ選手の「ヘッドクオーターからのプレッシャーパス」をテーマにしたセミナーを、教則としてテロップ&チャプター編集した作りとなっています。
セミナーの開催地が森戸 新士選手が所属するLEOSであるため、技の受け手が森戸選手という豪華キャスティングになっていて、相手にプレッシャーをかけながら、スマッシュ・ニーカット・ロングステップ・ハーフガードパスへと柔軟に変化していく技術が素晴らしく、ハイレベルな試合で使えるよう工夫されたグリップやポジショニングが見どころです。
収録内容について
収録内容はおもに、相手にデラヒーバガードを作られて、ヘッドクォーターポジションを取ったところからのアタックとなっています。カウアン選手が得意とするグリップを作ったサイドスマッシュからの展開が中心となった構成です。
サイドスマッシュの展開を警戒された場合のニーカットやロングステップパス、ハーフガードパスなどのバリエーションも紹介されています。
印象としては、2024年にBJJ LABから発売された山中 健也選手の「ニーカット&スマッシュパス」の教則と内容としては近いけど、プレッシャーの掛けかたや、グリップする場所、パスする際のムーブがかなり違っていて、カウアン選手が世界レベルの試合で試行錯誤して独自に磨いた感のある技術となっています。
練習仲間がこの教則で紹介されているテクニックでパスされた際に「今なにをされたか、全く分からなかったです・・・」と感想を言っていたくらい、独特なムーブが混じっていて面白いです。

チャプター
- プレッシャーパスをする際のバランスのとり方 vs DLR
- ヘッドクォーターポジションから パスガード①
- ヘッドクォーターポジションから パスガード②
- 個別説明① トップからのパスガード
- プレッシャーパス① スマッシュ・ロングステップ・ニーカット
- プレッシャーパス② ハーフガードパスのバリエーション
- 個別説明② トップからのパス
- 質疑応答 トップ
収録時間:54分
特に見どころは「個別説明」のチャプターで、各テクニックについてカウアン選手が意識していることやコツが惜しげもなくレクチャーされているので、ただテクニックを見ていただけでは気づけないような部分まで分かり、とても参考になります。
彼は茶帯のIBJJF ワールドノーギ王者ですが、所属ジムの方針でまだ黒帯には昇帯していない(ATOSの昇帯基準は「上帯を圧倒できるレベル」)選手なので、実力的にはすでに黒帯でもトップレベル。その海外トップレベルの技術を日本語で鑑賞できるというお得感のある教則となっています。
教則動画のフォーマットについて
BJJチャンネルさんの教則は、ユーザーの閲覧環境にあわせてフォーマットを選択できるところが特徴的。
ダウンロード形式のVimeo版・Dropbox版(オンデマンド視聴も可能)と、物理フォーマット形式のDVD・Blu-ray版があります。
導入コストが低くてお手軽なダウンロード形式が主流となってきている中、制作にすごく手間とコストのかかるDVD・Blu-ray版まで制作しているのは、素晴らしい企業努力だと思います。
まとめ

ヘッドクォーターからの展開は最近ずっと練習後に居残りで仲間と研究をしていた分野なので、タイミング良く最新技術に触れることができたなという印象。すごく勉強になりました。
収録時間が長すぎず、技術も細かすぎないので、これからスマッシュパスとニーカットのコンビネーションを覚えたい人にもオススメできる教則かなと思います!
こちらもオススメ
教則で受け手を担当した森戸選手の最新の教則「森戸新士 必勝のモディファイドXシステム」も、森戸選手が海外トップ選手たちの使っているテクニックを研究した内容となっています。前作のワンレッグXの教則でもモディファイドXが紹介されていましたが、より深掘りされていると思われ興味深いです。
自分もよく使っているのですが、モディファイドXは手前の脚に掛けるので身長差がある相手にも使いやすいテクニックです!
ギロチンチョークの刺繍が人気です
「ギロチンチョーク」はブラジリアン柔術などの寝技の練習をしている人なら、誰でも1度は練習したことがありますよね。私も好きな極め技の1つです。