教則動画レビュー:松本一郎 GUARD REVIVER

ガードリバイバー

オープンガードからのガードリテンションって、選択肢がとても多いので初心者には難しいですよね。

そんな「ガードリテンション」について、ガード巧者として知られる松本一郎選手の教則動画がBJJ チャンネルさんから発売されたので、その見どころや感想についてまとめてみました。

選手プロフィール

松本 一郎

まつもと いちろう

1981年生まれ。柔術黒帯。NR柔術インストラクター。はぎの台整骨院 院長。
30歳で奈良市にあるNR柔術に入会し、格闘技未経験ながらスピード昇帯。黒帯になった初年度でJBJJF殿堂入り選手2名と激戦を繰り広げて惜敗するも、同年の全日本選手権で3位となる。パスを許さない鉄壁のディフェンス力には定評があり、回転系の技が得意なことから「スピンマスター」の異名を持つ。

主な戦績

JBJJF
・全日本マスター柔術選手権 黒帯ルースター級 優勝(2023年)
・全日本柔術選手権 黒帯ルースター級 3位 (2019年)

IBJJF
・ワールドマスター柔術選手権 マスター3 黒帯ルースター級 3位(2023年)
・アジア柔術選手権 マスター2 茶帯ライトフェザー級優勝(2017年)

この教則動画の見どころ

私もオープンガードのディフェンスが上手くなりたくて教則動画をいろいろと探したことがあるのですが、ガードリテンションに特化した教則動画ってあまり記憶にないです。

日本語の教則だと橋本知之選手の「ガードリテンション大全」と柿澤剛之選手の「ダイヤモンドガード」が有名ですが、それらよりも幅広くパスガードへの対処が収録されているのが見どころです。

パス名松本一郎
GUARD REVIVER
柿澤剛之
ダイヤモンドガード
橋本知之
ガードリテンション大全
トレアナ
クロスグリップ
ニーカット
スマッシュパス
レッグドラッグ
ロングステップ
脇差しパス
担ぎパス
Xパス
噛みつきパス

松本選手がパスされない秘訣がこの1本に詰め込まれている感があり、時間をかけて練り上げてきた技術をここまで公開していいの??と、こちらが心配になってしまうくらい良心的な内容になってます。

収録内容について

初心者がオープンガードからのカウンターを覚えたい場合、いろいろなオープンガードの教則でカウンター技術について学習して自分の技術体系と繋ぎあわせていく必要があると思うのですが、この教則はその「繋ぎあわせる」時間を短縮することに役立つように思います。

また、松本選手が独自に工夫したと思われる足の当て方・足の組み方・お尻のあげ方などが随所にあります。おそらく医療系の国家資格保有者としての知識がそこに活かされていて、骨格のフレームや重心移動を使って間合いを保ちながら相手のバランスを崩したりしています。

それらは、セミナーや出稽古でお世話になっている晝間先生柳沢さんなどのオープンガードのカウンターを得意とするスーパー黒帯の先生たちの技術と似た部分があり、映像化はとてもありがたいです。

トレアナへの対応

  • エルボープッシュ
  • アップサイドダウン
  • 如意棒
  • ファーサイドストンプ
  • ニアサイド50/50
  • インバーテッド
  • バックロールスイープ

ニーオンベリーへの対応

  • スパイダーリテンション
  • レナトロール

クロスグリップパスへの対応

  • ノーズグラブ
  • ダブルフレーム

ニーカットパスへの対応

  • レッグハグ
  • リフレーム
  • ヒップキック
  • アームピットフック

スマッシュパスへの対応

  • ショルダープッシュ
  • クロスレッグ

レッグドラッグパスへの対応

  • グランビープッシュ
  • フィッシングフック

ロングステップパスへの対応

  • スイッチフック
  • リバースフック

脇差パスへの対応

  • テントポール

担ぎパスへの対応

  • シンブロック
  • バックウォーク
  • ボディフックアームバー
  • エルボープッシュ
  • フィギュアフォー
  • バックロール

噛みつきパスへの対応

  • カラーシールド
  • レッグマフラー

不利な状況での対応

  • 枕を取られた時:カッティングアームバー
  • 裏をとられた時:グランビーロール

あと、老若男女の患者さんに対して治療方法を理解しやすく伝えるような、丁寧で優しい語り口調が印象的でした。整骨院の先生ということもあって「どんな人にでも分かるよう伝える」というのが得意なのかなと思いました。

チャプターの文字だけ見ると初心者には難しそうに思うかもしれないですが、白帯や青帯の頃からこの教則で学んで練習すれば、上達がかなり早まるように思います。

松本一郎選手といえば・・・

松本一郎選手といえば「腹筋がシックスパックに割れてる整骨院の先生」としてテレビ番組で紹介されていたことが強く印象に残っています。私にとっては「あのテレビに出ていた、腹筋バキバキ先生!」という認識。

Youtubeにも動画がアップされていますが、「体幹に特化した整骨院の先生」として芸人さんにトレーニングを指導していたら、なぜか関節を極めてしまうというキャラ設定が秀逸で、今回の教則で紹介されているガードリテンションも炸裂してます(笑)

教則動画のフォーマットについて

BJJチャンネルさんの教則は、ユーザーの閲覧環境にあわせてフォーマットを選択できるのが良いですね!
ダウンロード形式のVimeo版(オンデマンド視聴も可能)と、物理フォーマット形式のDVD・Blu-ray版があります。

Vimeo版

DVD・Blu-ray版

私はここ数年、もっぱらダウンロード形式の教則動画ばかり買っていますが、ある程度のパソコンやネットワーク関連の知識がないと環境構築や運用がむずかしいですよね。

データをダウンロードして自宅のNAS環境にアップしておけば、ネットワーク対応のテレビやパソコン・スマホで教則動画を見ることができるのでとても便利だし、もし配信元でデータが削除されても自分の環境には動画が残るので安心なのですが、初期投資と専門知識も必要になるので導入のハードルは高めです。

その観点で言うと、DVDやBlu-ray版は意図せずデータが消える心配がないし、もし不要になったら中古品としてメルカリなどで売ることも可能なところにメリットがあるように思います。データ販売が主流になりつつありますが、まだまだ物理フォーマットにも需要があります。

まとめ

パサー視点で考えると、何をしてもガードリテンションされて正確無比のカウンターがくる相手は本当に厄介です。

松本選手はリバースデラヒーバガードを得意としていて、その技術が紹介されている前作の「松本一郎 DAWN OF KOD キスオブザドラゴンの夜明け」と今回の教則はセットで学習すると、もっと技術体系の全体像が見える気がします。

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松本一郎選手の前作に関する記事はこちら。

プロフィール

TUNETOMO 取材・文/イラスト

柔術紫帯。柔道黒帯。上級ウェブ解析士。デジタルマーケティングによるWeb戦略提案とUI/UXディレクションが専門分野。柔術とイラストレーションと洋服が好きすぎて、オリジナルのアパレルSHOPまで作ってしまった。

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