【体型別】自分にあった柔術スタイルを探す方法
先日の柳沢さんの白青帯限定オープンガードセミナーで、白帯さんが質問コーナーでこんなことを聞いていました。
自分にあう技ってどうやって見つければいいのでしょうか。体型別などで教えて欲しいです。
オープンガードセミナー参加者の白帯さん
この質問に対して柳沢さんからは「上半身の力が強いならディープハーフかな」という回答だったのですが、この方はTUNELOGを読んでいただいているということだったので、ブラジリアン柔術で強くなるために大切なことという記事の身体的特徴に関する記述の影響もあるのかなと思いました。
そこで今回は、体型や特徴ごとに「こうしたら良いのでは?」という強みを活かす方法をまとめてみました。
長身体型
長身で手足が長い(リーチがある)人は、離れた距離から仕掛けるパスガードや、長い手足を相手に巻きつけたり相手を遠ざけたりするガードが向いています。
このタイプには、スパイダーガードや三角絞めの名手が多い気がします。通常だと足が回りきらないサイズの相手にもクローズドガードできたりします。
ガッチリ体型
手足が短めで筋量が多いガッチリ体型は、相手を抱えて密着したりコントロールするような接近戦に向いています。距離を潰すことで相手の選択肢を減らし、自分が得意な展開に持ちこみます。
このタイプは、プレッシャー系のパスガードや、相手を引き寄るハーフガード・バタフライガードが得意な人が多いです。相手の懐に潜り込んで勝負するディープハーフガードも向いています。
標準体型
平均的な標準体型の人は、定石通りベーシックなガードからコツコツと覚えていくのがいいと思います。目立った長所はないけど、長所ゆえの欠点も少ない万能型なので、バランス良くいろいろなテクニックにチャレンジしてみるのが良いと思います。
また、手足の長さは変わらないけど減量して階級を下げれば長身体型、筋量を増やして階級を上げればガッチリ体型にもなれます。
身体特性の傾向など
瞬発力がある
瞬発力があるということは、瞬間的な動作や反応速度に優れているので、ある程度の間合いを確保したスタイルが良いと思います。このタイプは運動神経に優れた人が多く、瞬発力をカウンターや極めの強さに活かすこともできると思います。
体が柔らかい
体が柔らかいということは、通常だと苦しい姿勢への耐性があるので普通では難しい技を使いこなせる可能性があると思います。「手足が長い」「力が強い」などの特徴を併せ持っていると更に強力です。ケガをしづらいという強みもあります。
持久力がある
持久力があるのであれば、相手の反応に合わせて動き続けたり、じっくりと組み手を作って粘り強く戦うスタイルが向いていると思います。相手の体力を削って自分だけ動ける状態を目指すと良いと思います。長時間の練習ができるという強みもあります。
熱狂的に好き
寝ても覚めても忘れられないくらい特定の技が「熱狂的に好き」という状態も強みのひとつだと思います。誰になんと言われようがトコトンまで追求して、その技術を磨いて究めていけば良いと思います。好きこそ物の上手なれ。
バックボーンの有無について
柔術をはじめたばかりの人から「私にはバックボーンがない」という声をよく耳にするのですが、柔道やレスリングだけがバックボーンではないと思います。たとえば、元柔術世界王者のコブリンヤ(フーベンス・シャーレス)選手はカポエイラをやっていた経験もあってパワー・バランス・柔軟性に長けています。
大切なのは柔術に活かせる体の使い方であって、自分が経験してきたこと(バックボーン)の中から「この動きは〇〇と似ている」と感じ取って活用できるかどうかです。そのため、野球やサッカーだったり水泳でもいいのかなと思います。
過去に自分で積み上げてきたものをバッサリ捨てて白紙の状態からスタートするのは非常にもったいないので、使えるものは現在のニーズに合わせて活かすという身体感覚や経験値のリノベーションのようなことができると、自分ならではの強みになるように思います。
まとめ
結局のところ、いろいろと技を経験して学んでいくと、足りていなかったパズルのピースが埋まった瞬間に学んできたことが頭の中でつながる日がやって来ます。最初は焦らず、コツコツと知識や経験を積み上げるのが良いのかなと思います。
最初から代名詞となるような必殺技を持ってる人なんて稀有なので、早い時期から自分にフィットする技と出会えるのはかなりの幸運です。じっくりと宝探し感覚で自分のスタイルを作り上げる過程を楽しむのが良いのではないでしょうか。
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この記事は、私が白帯時代に柔術スタイルを試行錯誤していた頃の手記になってます。なにかのヒントになれば嬉しいです。
プロフィール
必須の技術を忘れないために
ブラジリアン柔術などの寝技の攻防で必須の技術の1つに「えび」というムーブがあります。えびのように身体を曲げ伸ばしして、下からのポジショニング調整に使うのですが、初心者はおろそかにしがち。
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