教則動画レビュー:木部 亮「戦略的ディープハーフガード」

「ディープハーフガード」は自分の白帯時代からの得意技の1つですが、今ではあまり積極的に使わなくなっていました。

その理由は、ブリッジスイープなどの攻防で「体力の消耗が激しい」ところと、相手の真下に潜ることになり「プレッシャーでゴリゴリ削られて辛い」ところ。そのため、エスケープやリカバリーのみで使っていましたが、この教則はまさにそういうコンセプトだったのでとても勉強になりました。

今回は、そんな木部 亮選手の「ディープハーフガード」に関する教則動画についてレビューしてみました。

ディープハーフガードとは

「ディープハーフガード」とは、ボトム側が相手の重心の下へ潜り込んで深くハーフガードに入った状態。ボトム側が負けているようにも見えるポジションですが、強力なスイープやバックテイクを狙える攻撃的なポジションです。

ディープハーフガードでの展開をトップ・ボトムどちらも収録

木部 亮先生の
ガードシリーズ第4弾!

この教則はディープハーフガードからのトップ側とボトム側の対処をどちらも収録しているところに特徴があります。

前作同様、通常の教則動画ではなくセミナー動画を編集した構成になっています。見どころは、ディープハーフにいる時間を可能な限り短くするというコンセプトにあって、すでにディープハーフを使いこなしている人にもオススメできる内容です。

大好評だったシングルレッグハーフの教則リバースハーフとも関連性の高い展開なので、その続編であるとも言えます。

【収録内容1】ディープハーフのエントリー

「ディープハーフにいる時間を可能な限り短くする」というコンセプトであるため、自らディープハーフに引き込むようなエントリーは紹介されておらず、不利な状態からのリカバリーとしてのエントリー方法が紹介されています。

自分も最近のスパーリングで多用していますが、とても便利です。ディープハーフからのスイープや連携手段を複数もっている人ならすぐに実戦投入できるでしょう。

【収録内容2】ディープハーフへの対応(トップ側)

ラペラを繋いでスイープを狙うようなオーソドックスなディープハーフガードへの攻撃手段が解説されています。

ディフェンス視点でも、通常のディープハーフで起こり得るリスクを学ぶことで、「気をつけるべきポイント」を網羅的に知ることができます。

【収録内容3】ディープハーフからの対応(ボトム側)

アタックに関しては木部選手が独自に工夫した組み手から、相手の反応別のテクニックが紹介されています。どれもシンプルかつ実用的で、しかも省エネ。覚えておくとすごく便利です。

この組み手からディープハーフをオープンガードへの繋ぎ技として活用することも可能です。

収録内容リスト(再生時間:62分)

  1. イントロ ディープハーフガードとは
  2. なぜディープハーフガードが必要なのか
  3. バックからディープハーフガードへのエントリー
  4. ディープハーフガードに対する脇差しパス
  5. ディープハーフガードに対するリバースハーフガードを経由したニーカットパス
  6. ディープハーフガードに対するクルスフィックス
  7. ラペラ持ちディープハーフガードに対するキムラコントロール
  8. 相手が頭でリバースハーフガード側に抜けさせない時の対応
  9. 袖を持ったスイッチパスガード
  10. 相手のアタックを踏まえたシンプルな組み手
  11. シンプルディープハーフガードからバックテイク
  12. シンプルディープハーフガードからスイープ
  13. シンプルディープハーフガードからベリンボロ
  14. シンプルディープハーフガードから背負いスイープ
  15. シンプルディープハーフガードからシングルレッグスイープ
  16. まとめ
  17. 質疑応答

こんな人にオススメ!

オープンガードを使っている人が、パスされそうになった場合のお守りとして覚えておくのにすごく良いなと思いました。

また、ディープハーフを使いこなしている人にとっても、展開のバリエーションが増えて有益だと思います。ブリッジスイープなどでパワーを使って消耗したくない人、腰が痛くなってしまう人にもオススメです。

学び易さを考慮したテロップ編集

もはや定番となってきたBJJチャンネルスタイルのテロップ編集。注目して欲しいポイントを円で囲って強調したり、NGポイントがハイライト表示されて効果音が鳴ったり、チャプターごとのまとめ画面など、徹底的に視聴する側の「学び易さ」にこだわった作りになっています。

毎度のことながら「それ、やりすぎでしょ・・・!笑」とツッコミたくなってしまいますが、そのサービス精神に感謝です!

教則動画のフォーマットについて

BJJチャンネルさんの教則は、ユーザーの閲覧環境にあわせてフォーマットを選択できるのが良いところ。動画データ版(Vimeo・Dropbox ※オンデマンド視聴も可能)と、Blu-ray・DVD版があります。

まとめ

この教則は、コンセプトが自分のニーズともマッチしていてすごく学びがありました。自分の中で、久しぶりにレベルアップのファンファーレの音が聞こえた気がします(喜)

これだけこだわった作品なのに、価格が良心的なところも本当にありがたいですね!

プロフィール

TUNETOMO 取材・文/イラスト

柔術紫帯。柔道黒帯。上級ウェブ解析士。デジタルマーケティングによるWeb戦略提案とUI/UXディレクションが専門分野。柔術とイラストレーションと洋服が好きすぎて、オリジナルのアパレルSHOPまで作ってしまった。

ギロチンチョークの刺繍が人気です

ギロチンチョーク

「ギロチンチョーク」はブラジリアン柔術などの寝技の練習をしている人なら、誰でも1度は練習したことがありますよね。私も好きな極め技の1つです。