ブラジリアン柔術の青帯はどれくらい強いのか
ブラジリアン柔術を白帯から始めて、もっとも最初に目指すのは青帯の取得だと思います。周囲の人たちに「ブラジリアン柔術やってるよ」と伝える際、必ず聞かれるのが「いま何帯なの?」だからです。その際に白帯と答えると「まだ初心者なんですね」という目で見られるのが恥ずかしくて、胸を張って「青帯です」と答えたいのは当然の気持ちだと思います。
そんな初心者たちが目指しているブラジリアン柔術の青帯が「どのくらいの強さなのか」について、いま僕が感じていることをお伝えしたいと思います。
青帯といえども、強さはピンからキリまで
ブラジリアン柔術の青帯といっても、強さはピンからキリまであります。それは、昇帯の基準が各道場のインストラクターの価値観やポリシーによって異なることが原因かもしれません。
そのため、スパーや試合で恐ろしく強さを発揮する青帯もいれば、あまり強さは感じられない青帯の人もいたりします。
プロ格闘技イベントで試合しているMMAの有名選手がブラジリアン柔術では青帯だったりすることも珍しくなく、青帯でも「強い人はものすごく強い」といったところでしょうか。トライフォース赤坂所属のRIZINで今すごく勢いに乗っている朝倉未来・朝倉海選手、元OUTSIDER王者の吉永啓之輔選手なども青帯だったりします。
※ 所属先・帯に関しては2018年の記事作成時の情報です
先日のデラヒーバ杯の準決勝で戦った方が朝倉兄弟と一緒の道場なのですが、やはり体の強さが桁外れなので柔術でも相当強いそうです。ゆえに帯の色と強さはイコールではないと考えています。
道場ごとの昇帯基準について
昇帯とは、道場ごとの「こういう人材を育成したい」という特色そのものなんだと思います。そのため、基本技術が身についていることは前提ですが評価基準に「練習に取り組む姿勢」という指標があれば、長くまじめに取り組んでいれば昇帯できるように思います。
逆に、明確な達成指標があって「試合の勝利数や1本勝ちの数」で昇帯する実力主義の道場や、独自の昇帯試験をしている道場もあるようですが、一般的には、身につけている技術のレベルからインストラクターが「もう充分だ」と判断した際に昇帯する道場が多いように思います。
試合について
青帯の試合についてですが、年代別で最も若い「アダルト部門」の青帯はすごくレベルが高い選手が多いです。体力とスピードがあって、練習をやり込んでいるので技術力も高くて「将来の黒帯候補の宝庫」という印象。
僕がエントリーしているマスター部門は、ある程度の年齢から柔術をはじめた方が多いので「大人の運動会」という印象です。仲間の応援もかなり盛り上がります。5歳ごとの年代別で試合があるため、体力的なハンディキャップが少なく純粋に「どちらが強いか」の技術を競えます。
また、30歳以上の選手でも強さに自信のある選手は継続してアダルト部門にチャレンジしています。こういう青帯は相当強いです。
実戦での強さ
ブラジリアン柔術の基本は「護身」であるため、青帯レベルであれば街中で暴漢に襲われたとしても自分の身を守るスキルはかなり高いと思います。1対1で相手が武器を持っていない同じくらいの体格の素人であれば、テイクダウンからのチョークかサブミッションで相手の戦意を奪う実力は、ほとんどの青帯が持っていると思います。
ただ、柔術だけ練習している人はテイクダウンや打撃のスキルがあまり高くないので複数人を相手にすることは難しいと思います。複数人相手に引き込みで対処するのは自殺行為ですので、アームドラッグで相手を崩すなどしてその場から逃げたほうが良いと思います。
まとめ
ブラジリアン柔術を始めたばかりの頃は、青帯の先輩たちのことを「なんて強いんだ・・・」「勝てる日は来るのか?」と思ったものですが、今ではそれほど実力差を感じなくなっています。やはりオフェンスやディフェンスの知識と経験の積み重ねが大事なんだと思います。
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著中井 祐樹
発行株式会社 日貿出版社
発売日2018年11月2日
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