結婚して女性が「鬼嫁」になるケースでの解決方法
柔術をやっていると「奥さんが鬼嫁」で練習や試合に行くのに家庭内調整が大変だという話をよく耳にします。柔術に熱中しすぎて離婚したという話もチラホラ・・・。
たまたまTwitterで目にしたツイートによると、結婚して奥さんが鬼嫁化するのが3割。出産して鬼嫁化するのが6割。残りの1割は終始圧倒的鬼な父とのこと。
友人の事例を見ると、結婚して奥さんが鬼嫁化するのが3割、出産して鬼嫁化するのが6割といったところ。残りの1割は終始圧倒的鬼な父、ということになるような気がします(´・∀・)
Twitterより引用
私が思うに、特定の誰かが強権を握らないと成り立たないというのは、集団がチームとして未成熟だからだと思います。「家族」という集団がチームとして機能して、それぞれの役割が明確になっていれば、どちらか一方が鬼にならなくても家庭は円滑にまわります。
そこで今回は、私が「家族」というチーム作りで工夫しているポイントを紹介したいと思います。
お互いの立場や役割を理解する
例えば会社のなかで、「営業部門」と「サービス部門」が仲の良いところはあまり多くない印象があります。会社からの評価や利害関係が一致しない関係性は対立を生みやすい構造にあります。
夫婦でも、夫と妻では家庭内での役割が異なり、多くの家庭では共働きにも関わらず奥さんが家事のほとんどをこなしているケースはとても多いでしょう。
女性の立場から考えると、家族のために一生懸命やっている家事や育児に対して「家にいるから暇なんでしょ」「やって当たり前でしょ」という扱いを受ければ、当然ながら不平不満は溜まります。
奥さんが鬼嫁化する最大の原因は、だいたい夫側の妻に対する家事・育児負担への理解不足や不公平感なのではないかと思います。それを解消するには徹底的に相手の立場になって考え、自分が協力・貢献できることについて話し合うことが大切なのですが、その際に夫側にファシリテーター型のリーダーシップに関する経験値があると話がスムーズになります。
男性的な問題解決思考では、女性との話し合いは決裂に終わりがちです。
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「管理型」ではなく「自律型」のチームを目指す
「特定ミッションのために他人同士が共同生活をする」という意味では、結婚は宇宙開発でのクルーの関係性と似てる気がします。宇宙での未知のトラブルに備えて、必要最小限のメンバーで異なる専門性(強み)を持ったメンバーを集める必要があります。宇宙空間ではメンバーの追加や変更ができないので「目的」や「場面」により、最も適切なメンバーがリーダーシップを発揮して問題を解決へと導きます。
結婚もそれと似ていて、異なる家庭環境で育った2人が長期に渡る「家庭づくり」というミッションに挑みます。そこには自分たちの人生設計にプラスして、「子育て」という正解のない人材育成プロジェクトも含まれており、継続期間はお互いがこの世を去るまで。壮大な規模感です。
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こういう長期の大規模プロジェクトの場合、特定のリーダー(鬼嫁 or 鬼父)の判断や意思決定に依存した旧来のトップダウンによる管理型チームよりも、メンバーが局面単位で自ら考えて柔軟に最適な行動を選択できる自律分散型チームのほうが、未知の局面や変化に強く、メンバーの関係性も良好になりやすいです。
メンバー間の相互理解や共通認識を確立する初期の「環境整備」に時間を要するため、チームビルディングとしての難易度はかなり高めですが、実現すると所属するメンバーの満足度もチームが発揮するパフォーマンスも桁違いに高くなります。
自律分散型のチームを作るためには、パートナーの強みや価値観・志向などを理解しあうフェアな関係性が重要です。その関係性を構築した上で、チームの目指す方向性や行動指針を全員が共有し、それぞれが自分の権限内で適切な行動をとります。自律分散型のチームでは全員がリーダーです。
ストレングス・ファインダーを活用
家族の相互理解を深めて、それぞれの強みの活かし方を知るために、わが家ではストレングス・ファインダーを活用しています。
もともと奥さんの職場で組織単位でストレングス・ファインダーに取り組んでいたのですが、私も自分の強みを知るために個人的に経験していたので、お互いの資質をどう活かすかを学ぶために夫婦で「ストレングス・ファインダー基礎講座」というワークショップに参加しました。
ワークショップでは参加者全員が自分の資質トップ5をシェアしあうことで、自身の強みをより深く理解することができました。さらに、人それぞれに強みの傾向が全く違うということも分かりました。
夫婦で参加したことで、お互いの強みや苦手なこと、それから夫婦というチーム単位での強み、これまで無意識に分担していた家庭内の役割がじつはものすごく効果的であったことなども確認できました。
ストレングス・ファインダーは柔術にも活用しています
私の練習や試合への取り組み方は、自分の強みや資質を最大限に活用したものになっています。人それぞれ、資質にあった取り組み方があると思うので、そのまま真似るのではなく、自分の性質を理解した上で自分らしいスタイルを確立したほうが成果は上がると思います。
ちなみに以下が私の最も強みとなっている資質です。
最上志向
優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要しますが、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。
真珠を追い求めるダイバーのように、あなたは強みを示す明らかな徴候を探し求めます。生まれついての優秀さ、飲み込みの速さ、一気に上達した技能――これらがわずかでも見えることは、強みがあるかもしれないことを示す手がかりになります。そして一旦強みを発見すると、あなたはそれを伸ばし、磨きをかけ、優秀さへ高めずにはいられません。
あなたは、あなたを型にはめて、弱点を克服させようとする人々を避ける傾向があります。あなたは自分の弱みを嘆きながら人生を送りたくありません。それよりも、持って生まれた天賦の才能を最大限に利用したいと考えます。その方が楽しく、実りも多いのです。そして意外なことに、その方がもっと大変なのです。
ストレングス・ファインダーより引用
お互いの強みを活かした担当分野を決める
このストレングス・ファインダーは、チームをつくる時や人材配置に活用するととても効果的だと思います。人それぞれが持っている強みを相互補完すれば、より良いチームができます。
わが家では「こうなったらいいな」「あれを実現したい」などの思いの強い人がリーダーになるべきだと考えているので、「家庭」というサークル活動の妻が部長、私は副部長ということになっています。
資質が全く異なる人の行動や志向は、その価値を正確に相手に理解してもらうことが難しく、どんなに素晴らしい貢献をしても全く意味のないものに見えていたりします。
仲の良いベテラン父婦は、長い時間をかけてお互いの長所や短所などを認めあって良好な関係を築いていると思うのですが、ストレングス・ファインダーを活用することで、その時間を大幅に短縮できたように思います。
まとめ
いまどき「結婚はコスパが悪い」などと世間で言われていたりしますが、私は結婚する前の人生よりも、結婚した後の人生のほうが圧倒的に楽しいです。
そして、これまで子供と一緒に過ごしてきた時間、それから、これから一緒に過ごすであろう時間は、私にとって何ものにも変えがたい人生の宝物です。
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