ブラジリアン柔術の階級とおよその競技人口について

ブラジリアン柔術の階級のことでインターネットで検索して、このブログにたどり着いている人が結構いるようなので、階級や年齢カテゴリについてまとめてみました。あまりに情報が多いと混乱してしまうのでキッズ部門は省いて、18歳以上のカテゴリに絞っています。

ただ表を載せるだけでは面白くないので、各カテゴリごとの競技人口などの推測と、今後の柔術界の課題にまで言及してみました。

階級カテゴリについて

以下の表は、階級カテゴリ別のリミット体重です。ブラジリアン柔術では道着を着用した状態での計量となります。試合直前の計量となるため、ボクシングや総合格闘技の試合でよくみられる水抜きなどの減量は効果が薄く、体格面でフェアな状態で試合がおこなわれます。

男性

カテゴリ名体重
ルースター57.5kg以下
ライトフェザー64kg以下
フェザー70kg以下
ライト76kg以下
ミドル82.3kg以下
ミディアムヘビー88.3kg以下
ヘビー94.3kg以下
スーパーヘビー100.5kg以下
ウルトラヘビー上限なし

女性

カテゴリ名体重
ルースター48.5kg以下
ライトフェザー53.5kg以下
フェザー58.5kg以下
ライト64kg以下
ミドル69kg以下
ミディアムヘビー74kg以下
ヘビー79.3kg以下
スーパーヘビー84.3kg以下
ウルトラヘビー上限なし

年齢カテゴリについて

年齢のカテゴリは以下のように分けられていますが、自分の年齢よりも若いカテゴリであれば、どこでもエントリー可能です。

若くて体力・技術ともに優れた選手が多数エントリーするアダルト部門で勝つことが最も評価が高く、30歳を超えても強さに自信のある選手は果敢にチャレンジしたりしています。

カテゴリ名年齢
アダルト18〜29歳
マスター130〜35歳
マスター236〜40歳
マスター341〜45歳
マスター446〜50歳
マスター551〜55歳
マスター656歳以上

競技人口の分布

1997〜2010年頃に、総合格闘技の試合でのグレイシーやノゲイラなどの柔術家の活躍をきっかけにして競技が全国普及したものの、PRIDEの崩壊・総合格闘技のテレビ中継の減少などから、日本国内では若者がブラジリアン柔術に興味を持つきっかけが少なくなっているという課題があります。

この格闘技ブームの頃に柔術を知った現在30〜40歳くらいの世代が国内の競技人口的には最も多い気がします。以下のグラフはこのブログの2019年2月の閲覧ユーザーの年齢分布なのですが35〜44歳が全体の約60%を占めています。

年齢について

2019年の全日本マスター選手権の各カテゴリごとのエントリー数と比較してみても傾向が似ているので、競技人口の分布はだいたいこのくらいの割合なのではないかと推測されます。ブラジリアン柔術の国内競技人口は約3万人とされているので、およそ1.8万人の競技者が現在35〜44歳くらいなのではないかと思われます。

性別について

この円グラフは、このブログのアクセスユーザーの男女比率ですが、JBJJFの試合での女子選手の参加人数の割合を考えると、競技人口の男女比もこれくらいになる気がします。

地域について

順位都道府県人口比率
1位東京34.7%
2位大阪13.6%
3位神奈川12%
4位愛知6%
5位千葉4.5%
6位埼玉3.3%
7位兵庫2.7%
8位福岡2.4%
9位北海道2.1%
10位静岡1.5%

これは過去6ヶ月間のアクセスが多かった地域の統計データですが、やはり人口が多いこともあって東京(34.7%)が突出して多く、次いで大阪(13.6%)・神奈川(12%)となっています。以降、愛知(6%)・千葉(4.5%)・埼玉(3.3%)・兵庫(2.7%)・福岡(2.4%)・北海道(2.1%)・静岡(1.5%)と続きます。

ちなみに最も少ないのは、島根(0.06%)で、次いで佐賀(0.09%)・秋田(0.09%)・宮崎(0.12%)・山梨(0.15%)の順でした。

この結果は、私のブログの認知度の問題もあるので目安としかなりませんが、都道府県ごとのブラジリアン柔術の道場の数や、競技人口と関連しているように思います。

階級の人口について

日本国内は軽い階級の人口が多いです。ライトフェザーからライト級くらいまでが最も多いのではないかと思います。ミドル級以上の重い階級の試合は、だいたい少なめです。

帯の人口について

帯の人口については白帯と青帯の人口が圧倒的に多くて、そこから紫・茶・黒と帯があがるにつれて取得難易度も高くなり、日本人の黒帯は現在300人程度と言われているようです。数ある武道の中で最も取得が難しいとされています。

ブラジリアン柔術の裾野を広げる目的から、白帯・青帯に特化した試合が定期的に開催されていたりするので、その頃が最も楽しかったと語る人も結構いたりします。

今後の柔術界の課題

これらの情報を並べてみて思ったのは、日本の柔術界は競技人口が多い30歳以上のマスター世代を主要ターゲットとして業界の活性化を図りながら、5年後・10年後を見据えて若年層の競技者の獲得が必須だということ。

ビジネスの側面から考えても、最も競技人口が多くて上達の意欲があり、技術や情報を必要としていて経済力もある「白帯・青帯」かつ「25〜54歳」の消費が重要なポイントになるので、そこをターゲットにしてニーズや満足度を満たすアプローチが業界全体を潤す気がします。

また、「25〜54歳」のニーズを満たす施策のみでは競技者の高齢化が進むばかりなので、業界全体の人気拡大や将来のためにも、他の競技と同じくジュニア年代からの競技人口の拡大と育成が鍵となる気がします。

その推進のためには、圧倒的な強さと個性で業界の枠を超えて人気者となる日本人世界王者の出現と、マスメディアやWeb・ソーシャルメディアを通して幅広い層に競技の魅力を知ってもらうことが重要なのではないかと思います。

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プロフィール

TUNETOMO 取材・文/イラスト

柔術紫帯。柔道黒帯。上級ウェブ解析士。デジタルマーケティングによるWeb戦略提案とUI/UXディレクションが専門分野。柔術とイラストレーションと洋服が好きすぎて、オリジナルのアパレルSHOPまで作ってしまった。

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