柔術ブログの立ち位置の変遷と今後を予測。そして、なぜ運営を続けるのか。

インターネット環境とスマホの普及で、個人が触れる情報の量は膨大になりました。そんな中で、「柔術ブログ」の立ち位置はこの10年で大きく変化してきました。
今回は、その歴史と今後の予測を踏まえた上で、私がブログ運営を続ける理由についてもまとめてみました。
柔術ブログの立ち位置の変遷
2016〜2020年:ブログブーム末期
2000年代前半から大流行してた個人の「ブログ」というメディアは、2000年代後半から一般層にも普及する「SNS」によって徐々にその立ち位置を失い、2010年代後半はブームの終焉に近いタイミングです。

私がこのブログの運営を開始したのは2016年。まだまだ個人の柔術ブログが活発に更新されている状況でした。当時、国内の有名黒帯柔術家が個人で情報発信するようなことはほとんどなかったので、面白ければ「どこの誰だか分からない色帯会員」の記事でも一定の需要がありました。
なかでも、トライフォースの色帯会員が積極的にコンテンツを発信して人気を博していました。その代表格ともいえるのが「三角絞め研究所(休眠中)」。自身の試合レポートをコンテンツ化するというスタイルのパイオニアであり、ワールドマスターの参戦レポートや有名選手のインタビュー・対談記事などの先駆けとも言える存在です。

コロナ禍でおきた変化
以下は、伯柔記さんが2020年6月に書いた「国内の柔術ブロガー」についてのまとめ記事ですが、紹介されているブログで現在も更新運用されているのはごく僅かです(ほぼ全滅)。
2020年3月から始まったコロナ禍以降から国内の有名黒帯柔術家が積極的にSNSやYouTubeなどで情報を発信するようになり、これまでの「どこの誰だか分からない色帯会員が発信する情報」の価値が一気に低下しました。

いまでは、YouTubeを開けば有名黒帯柔術家が発信する無料のテクニック情報で溢れ返っています。最新テクニックを紹介した教則動画も簡単に入手できます。もう正確性や信憑性に乏しい情報を、わざわざ選んで閲覧する必要がなくなったのです。
その影響もあって、コロナ禍前に人気を博していた柔術ブログは続々と閉鎖されたり休眠状態になっています。
また、2021年年6月に日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)での経験を持つ新明氏によって「柔術ナビ(JIU-JITSU NAVI)」のウェブサイトが開設され、有料にて著名人によるコラムを毎月配信するようになるなど、柔術ブログ界隈は大きな変革期を迎えました。
教則動画で人気の「BJJ LAB」も2023年頃からメディア化して、ブログ記事やイベント情報などを発信しています。

無料ブログサービスの終焉

2025年11月にNTTドコモ運営の「goo blog」がサービス終了するなど、老舗ブログの消滅が相次いでいます。
そのおもな原因は、スマートフォンやSNSの普及に伴う時代のニーズの変化から検索エンジンのアルゴリズム精度が向上し、無料ブログサービスが有益なコンテンツとみなされなくなって、検索上位表示されることが難しくなったことにあります。
その影響でユーザー離れが加速して広告収入が減り、システムの老朽化にともなう運用保守コストの増大もあってサービス終了が続出する結果となりました。
- goo blog:2025年11月18日終了(21年続いた老舗)
- LINEブログ:2023年6月終了
- ウェブリブログ:2023年1月終了(BIGLOBEが運営)
- CROOZブログ:2022年5月終了(17年続いた老舗)
- Yahoo!ブログ:2019年3月終了
生き残ったのは、スマートフォンやSNSの普及以降に登場した「note」。それからアメブロ、はてなブログなどの独自の強みをもったサービスのみです。
無数にあってSNSを賑わせていた、無料ブログサービスを使った「個人の柔術ブログ」は、この影響で存在感を一気に失くしています。
ブログの衰退期と、これからの10年

私自身も、「日記」や「薄い情報源」として運営されている柔術ブログは全く読まない状態にあります。そこに貴重な時間や労力を使いたくないというのが本音です。
現在は、発信者にコンテンツの信憑性を裏付けるような実力や実績、社会的信用と非代替性がないと、文章は読んでもらえない時代になったように思います。
絶え間なく、無作為かつ大量に垂れ流されている信憑性の薄い情報たちはインターネット空間に撒き散らされたゴミのようなもの。稀に有用なものもあるが玉石混交であるため、安易に騙されないための資質や教養が問われています。
文字を残すというのは重い行為だ。一定の資質と最低限の教養を要求される。誰もが簡単に文字を扱えたら、ゴミのような情報で溢れかえってしまう。そんな世の中、目も当てられん。
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」バデーニの発言から引用
まさに「チ。 ―地球の運動について―」でバデーニが懸念していた、目も当てられないような世の中になったのです。
誰もが常に「情報過多」の状態にあり、自分に興味や関心がないと判断したコンテンツはすぐミュート。偏見が強すぎたり、品質が低くて代替可能なコンテンツは切り捨てられます。
それから、生成AIの登場によって、誰でも簡単に作成できてしまうようなコンテンツの存在価値がなくなりました。
生成AIは「すでに世の中に存在している情報」をまとめることが得意なので、「すでに誰かが発信した内容を模倣しただけの劣化版コンテンツ」や「情報をコピー&ペーストして作ったようなまとめ記事」は将来的に需要が全くなくなるでしょう。
なぜ柔術ブログの運営を続けるのか

そんな厳しい状況のなかで、私が柔術ブログの運営を続けている3つの理由について語ってみたいと思います。
1. 次世代への「遺言」というテーマ
これまで自分が生きてきた中で「もっと早く知りたかった」と感じたことを、同じことで悩むであろう誰かのために残しておきたいという、「遺言」のようなテーマがこのブログの根底にはあります。
2. アウトプットの場
自分で描いたイラストレーションを掲載してくれるメディアが常時あるということは、絵を描く人間にとってはモチベーションに繋がります。その環境を「自分で作っている」という感覚があります。
あとは、ずっと本職のコピーライターの仕事ぶりからノウハウを学んだり表現力の凄みを体感して得たスキルを活用して、「自分が本当に言いたいことを、誰にでも分かるよう言語化して伝える」という練習をする場所にもなっています。
3. 報酬
お金だけを得ることだけが報酬ではありません。たとえば、記事制作を通して「さまざまな人たちとの縁が生まれる」「独力では辿り着けなかった情報と出会える」のも報酬だと考えているから続けられているのだと思います。
持っている強み
Webディレクターとしての全体把握能力、アートディレクション、Webデザイン、コーディング、イラストレーション、テキストライティング、WordPressの運用知識などの制作関連スキルをプロレベルで併せ持ちながら、柔術関連の知識や人脈、論理的思考と東洋哲学、人生の経験値などからコンテンツを生み出す能力を1人で兼ね揃えているところが強み。
1人の人間の脳内で「能力と能力を掛け合わせるコラボレーション」が可能なのでアイデア伝達のロスが少なく、思い通りのアウトプットを作成することに長けています。
まとめ

「ブログは死んだ」という言葉は、インターネットの歴史において何度も繰り返されてきたフレーズですが、2026年時点での結論は「個人の日記のような初期のブログ運営」はSNSに代替され、専門性の高いコンテンツを発信する「メディアとしての役割」に変化してきているということ。
そういう時代で競合となるであろう「生成AI」は自分で経験を積むことができず、既存の情報しか参照できないので「一次情報(プライマリソース)」を含んだ質の高い独自コンテンツの価値は今後一層高まると思われます。
だからこそ、私は「自分だからこそ発信できるコンテンツ」の制作にこれからも注力していこうと思っています。
必須の技術を忘れないために
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